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2024.09.13

【訪問診療ブログ #22】第6回日本在宅医療連合学会大会 参加報告

当院在宅診療部門の大森が2024年7月20〜21日に千葉県千葉市で開催された第6回日本在宅医療連合学会大会に参加しました。今回は、参加報告をお知らせします。

日本在宅医療連合学会って…どんな学会なのであるか?

日本在宅医療連合学会(にほんざいたくいりょうれんごうがっかい)とは

日本における在宅医療の発展と普及を目的とした学会です。この学会は、在宅医療に関わる医師、看護師、薬剤師、リハビリテーション専門職、ソーシャルワーカーなどの多職種が参加し、在宅医療の質向上を目指して活動しています。以下に日本在宅医療連合学会の主な活動内容を紹介します。

  1. 学術大会の開催: 年次学術大会を開催し、在宅医療に関する最新の研究成果や臨床実践の発表、議論を行います。この大会は、多職種が一堂に会し、在宅医療の様々な側面について学び合う重要な場となっています。
  2. 研究の推進: 在宅医療に関する研究を奨励し、学術雑誌の発行や研究助成制度を通じて、研究活動を支援しています。
  3. 教育・研修: 医療従事者向けの教育プログラムや研修を提供し、在宅医療の専門知識と技術の向上を図っています。
  4. 認定制度: 在宅医療の専門医や看護師の認定制度を運営し、質の高い在宅ケアの提供を促進しています。
  5. 普及啓発: 在宅医療の重要性を広く一般市民や医療関係者に啓発するための活動を行い、在宅医療に対する理解と支援を促しています。
  6. 政策提言: 在宅医療に関する政策提言を行い、在宅医療の環境整備や制度改善に向けた活動を行っています。

日本在宅医療連合学会は、在宅医療の実践者が集まり、知識と経験を共有し、在宅医療の質を向上させるためのプラットフォームを提供しています。

今回は年1回開催される大会に参加をしました!

医師が看取りについて学ぶ機会は少ない

訪問診療では住み慣れた自宅や施設で、お看取りをします。

ですが、医師として「看取りの作法を学ぶ機会はない」のです。

もちろん、死亡診断書の書き方や死の三徴候については大学で教わります。

ですが、実際に死亡診断を行う際の振る舞いやご家族への声掛け、言葉の選び方などは習う機会がないのです。

研修医時代に指導医の振る舞いを見て、それを生涯続けることが大半とされています。

 

看取りにまつわるエビデンス

横浜市立大学 総合診療医学の日下部 明彦 先生が「死亡診断時の医師の立ち居振る舞いについてのガイドブック」を公開しています。以下のウェブサイトからPDFをダウンロード可能です。

横浜市立大学総合診療医学ホームページ

看取り時の医師の振る舞いと、その遺族への心理的な影響について評価した報告もあります。

筑波大学の浜野 淳先生の緩和ケア病棟における死亡診断時の医師の立ち振舞いについての研究では、家族に死因を明確に説明しない、患者の診察を始める前に患者に声をかけないことなどの行動が、遺族にとって改善を期待する行動だったと結論付けられています。

 

Palliat Med Rep. 2023 Dec 22;4(1):350-357.
Palliat Med Rep. 2023 Dec 22;4(1):350-357.

在宅医療における看取りの立ち振舞いを考えるワークショップ

今回、大森はピースホームクリニック京都の大屋清文先生が企画するワークショップに、講師(ファシリテーター)として参加をしました。

ワークショップには全国の在宅医療領域で活躍する医師や看護師、介護職の方が参加されました。

医師役、訪問看護師役、家族役、観察者、記録者に分かれて、コミュニケーションロールプレイを行いました。

修了後のデブリーフィングでは「看取りのときの立ち振舞いで、重要なことは何か」ということをテーマにディスカッションを行いました。

大屋清文先生
ロールプレイの様子

受講者の方は真剣に取り組まれていて、私も勉強になりました!

第7回日本在宅医療連合学会大会のお知らせ

  • 会期 2025年6月14日(土) 15日(日)
  • 会場 出島メッセ長崎(長崎市)
  • 大会長 安中 正和 (安中脳神経外科医院) 白髭 豊(白髭内科医院)

大会を通じて、全国の在宅医療に従事される皆様と交流できることを楽しみにしております。


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