当院在宅診療部門の大森が2024年6月14日‐15日に兵庫県神戸市で開催された 第29回日本緩和医療学会学術大会 第37回日本サイコオンコロジー学会総会 に参加しました。今回はその報告です。
日本緩和医療学会って…どんな学会なのであるか?
日本緩和医療学会とは?
日本における緩和医療の研究・教育・普及を目的とした専門学会です。この学会は、患者とその家族の生活の質を向上させるために、痛みやその他の症状の緩和、精神的・社会的支援の提供を重視しています。
以下に日本緩和医療学会の主な活動内容を紹介します。
- 研究の推進: 緩和医療に関する基礎研究や臨床研究の推進を行い、学術雑誌の発行や学術集会の開催を通じて研究成果を共有しています。
- 教育・研修: 医療従事者を対象にした緩和医療の教育や研修プログラムを提供し、専門知識と技術の向上を図っています。
- 認定制度: 緩和医療の専門医や専門看護師の認定制度を運営し、質の高い緩和ケアの提供を支援しています。
- 普及啓発: 一般市民や医療関係者に向けて緩和医療の重要性を啓発し、広く理解を深めるための活動を行っています
- 政策提言: 緩和医療に関する政策提言を行い、医療制度の改善に寄与しています。
私は同学会の専門医・指導医を取得し、緩和医療の普及・啓発・実践に取り組んでいます!
学術大会とは?
日本緩和医療学会学術大会は、日本緩和医療学会が主催する年次大会で、緩和医療に関する最新の研究成果や臨床実践についての発表、議論が行われる重要な学術イベントです。
この大会には、緩和医療に関わる医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、その他の医療従事者や研究者が参加し、以下のような活動が行われます。
- 基調講演: 著名な専門家による基調講演が行われ、緩和医療の最新の動向や課題についての講演が行われます。
- シンポジウム: 特定のテーマに基づいたシンポジウムが開催され、専門家同士がディスカッションを行います。
- 一般演題・ポスター発表: 参加者による研究発表や臨床事例の報告が行われ、研究成果や実践の共有が行われます。
- ワークショップ: 実践的なスキルや知識を深めるためのワークショップが開催され、具体的な技術や方法を学ぶ機会が提供されます。
- 展示ブース: 医療機器メーカーや製薬会社による展示ブースが設けられ、最新の医療機器や薬剤に関する情報提供が行われます。
- 交流集会: 参加者同士が交流し、情報交換や協力関係の構築を図るためのネットワーキングイベントも行われます。
なるほど〜学会を通じて、新しい知識を得て、全国の仲間と交流を深める場なんですな〜!!
発表報告
在宅診療科の大森が今回の大会で2演題の発表を行いました。
AI時代の学び方
近年のAI領域の発展は目覚ましいものがあります。緩和医療というnarrativeな学問において、AI(特に生成AI)の活用はできるのか、国立がんセンターの石木先生や東北大学の升川先生と議論をしました。
大森は「chatGPTを活用した緩和医療の学習」というテーマで、chatGPTを使用する場合の利点や注意点、GPTsを使用した緩和医療専門医試験作成botやシミュレーションロールプレイの資料作成の方法などを発表しました。
大きなホールで、会場には100名以上の方にご参加いただきました。 鋭い質問もあり、参加者の関心の高さを感じました。
15分でわかる!最新の心不全緩和ケアTips
「Tips」という初学者向けのセッションで大森が登壇し、心不全の緩和ケアについて講演を行いました。
15分という限られた時間でしたが、最新のエビデンスや心不全緩和ケア全体の枠組みなどについて発表しました。
緩和ケアは がん だけじゃない! ということがもっと広まってほしいですぞ〜
学会コンテンツがオンデマンド配信で視聴可能
今回の学会に参加登録をすると、シンポジウムなどの講演をオンデマンド配信で視聴可能です。
参加登録について ※別サイトにリンクします
閲覧サイトはこちら
https://a-youme.net/jspm/entry/c_movie29/login_do.php
来年は福岡市で開催!
記念すべき第30回日本緩和医療学会学術大会は、福岡市で開催予定です!
- 第30回日本緩和医療学会学術大会
- 会期:2025年7月4日(金)~5日(土)
- 会場:福岡国際会議場大会長:田村 恵子(大阪歯科大学 医療イノベーション研究推進機構)
みなさまと大会でお会いできるのを楽しみにしています!
訪問診療部門 常勤医・非常勤医募集中!
福岡ハートネット病院では訪問診療部門の医師ば募集しとるばい! 学会参加は補助もあるけんね〜!
訪問診療部門 常勤・非常勤医師を募集しています
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