当院在宅診療部門の大森が2024年6月7日‐9日に静岡県浜松市で開催された第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 2024に参加しました。今回は、参加報告を数回に分けてお知らせする3回目となります。
今回は私が企画をしたシンポジウムのご紹介です!
プライマリ・ケア従事者のための心不全緩和ケアトレーニング
日本は高齢化などの理由で心不全患者が増え続けています。病床の数や循環器専門家の数が限られている中で、心不全診療・緩和ケアをプライマリ・ケア従事者が担うことも増えてきています。また心不全に対する投薬や手術の発展は目覚ましく、知識のアップデートにも労を要する状態です。
当院の大森が企画・運営メンバーとして取り組んでいる心不全緩和ケアトレーニングコース(日本心不全学会公認)は、心不全診療に携わる医師を対象としてつくられており、心不全の基本的緩和ケアに必要な情報を系統だって学ぶことができます
しかし、同コースでは末期心不全のマネジメントの項目は省略され、医師しか受講できません。
また一般に心不全診療は難解なことが多く、新薬や新しい治療方法も年々発表されています。
さらにHEPTを受講しても、それをどう実際の臨床に活かせばよいかわからないという意見もあります。
今回のシンポジウムは、プライマリ・ケア従事者をターゲットに、進行期心不全患者の治療・在宅医療・施設診療・緩和ケアについて最新情報とベストプラクティスを学び、実践できることを目的として企画されました。
シンポジウムの内容
本シンポジウムは飯塚病院 連携医療・緩和ケア科部長の柏木先生と大森が座長を務めました。
全国から4人の演者の先生をお招きし、講演と総合討論を行いました。
最初は手稲渓仁会病院 循環器内科 西崎 公貴先生から「心不全緩和ケアを学ぶ前に押さえておきたい、進行期心不全診療の考え方」の講演でした。
最近の心不全診療はアップデートがものすごく早く、私たち循環器専門家でも追いつくのに必死ですが、ここ数年の心不全診療のトレンドについて動画を交えながらわかりやすくお伝えいただきました。
次に小倉記念病院の高麗 謙吾先生に「プライマリケア医も知っておきたい心不全診療のコツ」についての講演です。
強心剤の使用タイミングや利尿薬が効かない場合に考えるコツについて、わかりやすくお話しいただきました。塩分制限や水制限など、生活指導についても触れていただきました。
そして飯塚病院 連携医療・緩和ケア科 高橋 佑輔先生と聖隷浜松病院 循環器科 齋藤 秀輝先生からは飯塚地区・浜松地区における心不全・緩和ケアの取り組みについてご講演いただきました。Extensivistの取り組みや浜松の急性期から在宅までのチーミングなど各地域の特色を活かし参考になるお話をいただきました。
心不全緩和ケア、ものすごく盛り上がってるのです!
今回のシンポジウムは追ってオンデマンド配信される予定です! 参加できなかった方はぜひご視聴をご検討ください!
学会発表の内容は今後オンデマンド配信で視聴できます!
日本プライマリ・ケア学会での講演内容は一部オンデマンドプログラムとして配信されています。
「オンライン視聴用プラットフォーム」内、『オンデマンド配信』から閲覧可能です。(プログラムは順番に配信されています)
なおオンデマンドプログラムの視聴には参加登録が必要です。
参加登録はこちらからどうぞ↓
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