当院を訪れる多くの方が、中庭にある小さな池と、そこに優雅に泳ぐ数匹の錦鯉に目を留められます。
鯉たちは、水面に映る陽の光を浴びながら、ゆったりと、あるいは時に力強く水を掻き、生きています。
その姿は、私たちが提供する医療とはまた違った形で、訪れる人々に静かな癒しと、生命の躍動感を与えてくれています。
鯉の中でも、特に鮮やかな色を持つ錦鯉は、「泳ぐ宝石」とも呼ばれ、古くから日本で愛されてきました。
赤、白、黒、あるいは黄金の斑を持つ彼らの姿は、一匹一匹が異なる個性を持った芸術品のようです。
しかし、彼らの魅力は見た目の美しさだけではありません。
鯉は非常に丈夫で、環境への適応能力が高く、なんと数十年という長い寿命を持つ個体もいます。
水の冷たい冬の間は、水底でじっと過ごす「冬眠」に近い状態で耐え忍び、春になると再び活動を始めるその強い生命力は、私たちの想像を超えています。
この驚異的な生命のタフさ、過酷な環境を乗り越える力こそが、鯉が持つ最大のメッセージではないでしょうか。
病院という場所は、健康を取り戻すために多くの方が努力され、また、私たち医療従事者がそのサポートに尽力する場所です。
治療やリハビリで辛い時、不安な時、中庭の鯉を眺めてみてください。
彼らが、水中で悠々と、しかし確かに生き抜いている姿は、私たち人間に、粘り強く生きる希望を与えてくれます。
もし鯉が口をパクパクさせているのを見かけたら、それは彼らが私たちに「大丈夫、必ず良くなるよ」と無言のエールを送ってくれているのかもしれません。
これからも、この中庭の小さな池が、私たち病院の「生命」と「希望」を象徴する場所として、皆さまの心に安らぎを与え続けられるよう、大切に守っていきたいと思います。
事務職員