年に 1 度の健康診断。
またこの時期がやってきました。
健康診断が近づくと、「少し運動しておこうかな」「お酒を控えておこうかな」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私自身もつい健診を意識してしまう一人です。
もちろん、本来の健康診断の目的は病気の早期発見や健康状態の確認、そして生活習慣を見直すきっかけにすることです。
日頃から健康的な生活を続けることが理想ですが、改めて自分の健康と向き合う良い機会でもあります。
さて、そんな健康診断ですが、胃の検査は受けていますか?
35 歳、もしくは 40 歳を過ぎる頃になると、多くの方が究極の 2 択を迫られます。
ひとつ目は、追加料金なしで受けられる「バリウム検査」。
ふたつ目は、3,000〜5,000 円ほど追加して受ける「胃カメラ」。
さあ、どちらを選びますか?
私は長年、バリウム検査しか受けてきませんでした。
理由はただひとつ。
胃カメラの“オエッ”となる嘔吐反射がどうしても苦手だったからです。
しかしここ数年で状況は変わりました。
当院でも鎮静剤(麻酔)を使用した胃カメラ検査が受けられるようになり、健康診断担当の医師からも「そろそろ胃カメラを受けなさい」と背中を押され、ここ 2 年ほどは胃カメラを受けています。
私は診療放射線技師という職業柄、胃のバリウム検査を担当することがあります。
その際、バリウムの入ったコップを手にした受診者さんから、よくこんな言葉を言われます。
「もうちょっと飲みやすい味にしてくれんね。」
本当に、その通りだと思います。
コップを持った瞬間に腕へ伝わるズッシリ感。
口に含んだときの、常温で粉っぽく、まとわりつく独特の感触。
飲み込もうとしても、なかなか喉を通っていかない感じ。
味は、ほぼ無味。
伝えるなら、そんな感じでしょうか。
そうなのです、バリウムは、マズイのです!
実は、その「マズイ」が、良い検査につながっています。
ここで少し、胃のバリウム検査の仕組みについてお話しします。
バリウムは胃の中に入ると、胃の壁に薄く付着します。
そのバリウムを胃全体に行き渡らせるため、検査中は何度も体を回転してもらいます。
そして、胃の形や胃の壁の凹凸を、さまざまな角度からレントゲン撮影していきます。
バリウムが胃の壁にしっかり付着することで、胃の表面の状態を間接的に画像として確認できるのです。
健康診断前には、「夜 10 時以降は食べないでください」「朝は水も飲まないでください」と言われると思います。
これは、胃を空っぽの状態にして検査を行うためです。
胃の中に水分が残っていると、せっかく飲んだバリウムが薄まり、胃の壁に付きにくくなってしまいます。
さらに、もしバリウムに美味しい味をつけてしまうと、空腹状態の胃が「食べ物が入ってきた」と勘違いし、胃酸を分泌してしまいます。
胃酸が分泌されると、バリウムは胃の壁にうまく付着できません。
すると、胃の壁の凹凸をきれいに撮影できなくなってしまうのです。
つまり、バリウムはマズイものなのです。
これから胃のバリウム検査を受ける際は、「マズイほど良い検査ができている」と思って、ぜひ頑張って飲んでみてください。
当院では、健康診断をはじめ、胃のバリウム検査や胃カメラ検査についてもご相談を承っております。
気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
放射線課職員