医療用麻薬には錠剤や貼り薬、座薬など、様々な剤形があります。
だんだん飲み込む力が弱くなったときや、痛みが急激に変化する場合は医療用麻薬の注射を使用することができます。
このページではPCAという機械についてご紹介します。
PCA?ってなんじゃ?
PCA(自己調節鎮痛法 ピー・シー・エー)は、患者さんご自身が必要に応じて痛み止めの薬を管理するシステムです。 ボタンを押すことで、事前に設定された量の鎮痛剤を自動的に投与できます。 これにより、痛みを感じた時に迅速に対応することができ、痛みのコントロールを向上させます。
当院が採用しているPCAは2種類あり、一つはクーデックエイミーPCA®、もう一つはアキュフューザー®です。
PCAには他にも機械があります。
クーデックエイミーはスマートフォンを用いて投与速度を0.1ml/h単位で調整が可能です。 投与量が決まっていない、痛みのコントロールがついていない場合に使用しています。 アキュフューザーは1回使い切りで、投与速度も固定です。 機械ではないのでアラーム音もなりませんし、ある程度量も入るので交換頻度が少なくてすむのが特徴です。
なんと!こんな小さくてすごいのであーる。 どんな患者さんに使うのじゃ?
これらのPCAは主に自宅でがん疼痛の治療を行う患者さんに使用されます。 急激かつ激しい痛みがあっても、PCAではすぐに痛みの管理が可能です。 ただし、PCAは患者さんが自らの意志でボタンを押す必要があるため、意識がはっきりしており、装置の使用方法を理解し遵守できる患者さんに限られます。 そのため重度の認知機能障害がある患者さんや小さな子どもには適していない場合があります。
・・・これ間違ってボタンを連打しても大丈夫じゃろか?
大丈夫ですよ。 連打しても薬が注射されないような仕組みになっています。
よくあるご質問
Q.保険適用でこの治療をうけることができますか?
A.はい、この治療は医療保険で受けることができます。
在宅悪性腫瘍等患者指導管理料(2024年6月から在宅麻薬等注射指導管理料)を算定しますので、1割負担の方で1,500円+薬剤料等がかかります。詳細な費用については当院医事課までご相談ください。
Q.血管が出にくく点滴が取りづらいのですが、使用できますか。
A.はい使用できます。医療用麻薬は皮下注射が可能で、こちらのほうが一般的です。そのため、お腹や腕、ふとももなどに細い針(24G)を刺して機械をとおして薬液を投与します。
Q.PCAを使用したままお風呂に入れますか?
A.クーデックエイミーPCA®は防水ではないので、注意が必要です。
入浴の可否に関しては、個別に対応を医師・看護師より指示いたします。
当院は緩和医療専門医が在籍しております。
また、自宅でPCAを使用しながら疼痛緩和治療も可能です。
ご希望がありましたら、お気軽にご相談ください。
福岡ハートネット病院では訪問診療を行っています。訪問診療についてご相談がある場合は、こちらから「地域連携支援部」へお問い合わせください。
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